私はアガベを20種類以上、実生(種まき)して育てています。
2020年に8000粒くらい蒔いています。
上手く育つときもあれば、失敗するときもありました。
参考になればと思い、本記事では、アガベ(Agave)の育て方と増やし方を解説します。
アガベの育て方と増やし方
アガベはロゼット状の葉と刃先のとげが特徴の品種です。
サイズは小型な品種から数メートルにもなる品種もあります。
アガベは丈夫な品種が多く、気をつけるポイントがあまりないことから育てやすいです。
耐陰性がなく、強い光を好む傾向なので日当たりが良い環境だとよく育つ品種です。
基本的な増やし方は、実生かカキ仔です。
胴切りしたり、株を割ったりしても増やすこともできますが、一時的に見た目は犠牲になります。
代表的な品種
アガベの代表的な品種は以下です。
これらは、園芸店で置いてあるケースもあるかなという感じです。
- Agave potatorum
- Agave titanota
- Agave parryi
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Agave potatorum
雷神と呼ばれる種類のアガベ。
入手しやすく、葉も肉厚で丈夫のため育てやすい。
potatorumは品種によって姿形が異なる。
写真は斑入りのpotatorum。
Agave potatorum variegata (王妃雷神)
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Agave titanota
チタノタはアガベの中で特に人気がある品種。
一般的な園芸店では、あまり見かけないかもしれないです。
titanotaもいくつか系統があり、姿形が異なります。
なお、葉の肌の色、歯の色で分類されている傾向はあります。
写真のアガベは肌が白っぽいもので、white iceと呼ばれています。
Agave titanota white ice ホワイトアイス
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Agave parryi
パリーは吉祥天と呼ばれるアガベ。
青白い葉になると言われています。
パリーは変種と亜種が存在するが、和名は共通して吉祥天として読んでいる傾向があります。
- parryi ssp. parryi
- parryi var. truncata
- parryi var. couesii
- parryi var. chihuahua
品種名を知った上で購入したい方は、和名しか書かれていない物は避けたほうが良いです。
大抵の場合、英語表記かカタカナ表記(トランカータ、コウエシー)されています。
アガベの育て方
アガベの育て方について、解説します。
生長期
生長期は春、夏、秋
夏型と書かれている書籍がありますが、真夏は生長が鈍る傾向があります。
アガベは乾燥に強いので、不安なときは乾燥気味に管理するのをオススメします。
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置き場所
日当たりが良く、雨の当たらない風通しが良い場所に置きます。
耐陰性はあまりないので、なるべく日当たりが続く場所に置くのが良いですが、西日などの強い光が当たり続けると葉が焼けるので、遮光は適切に行った方が良いです。
置き場所にもよりますが春と秋は20%くらい、夏は20-50%くらいの遮光をするときれいに育つでしょう。
経験上、温かい所に置いたほうが生長は良く、気温は20-30度くらいあると良いです。
最低気温は0-5度以下になる場合は、室内の窓辺や温室へ移動させます。
寒さに耐えれていない場合は、硬い葉がふにゃふにゃになってしまいます。その場合は、置き場所を変えましょう。ふにゃふにゃになった時点で、冷害は避けられていないので、しばらくすると葉がくしゃくしゃになってしまいます。
アガベは比較的、新しい葉が生えてくる植物なので、時間が経てば見た目の影響はなくなります。
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注意点
アガベを育てる際の注意点について解説します。
葉焼けについて
直射日光に強いと言われていますが、以下のケースは直射日光を当てると葉が焼けてしまいます。
- 環境を変える場合
- 実生して1年以内の株
- 西日のような強い光に当たる場合
遮光して徐々に環境に慣らしていきましょう。
春から夏の時期は注意しないと、数時間で葉が白くなってしまいます。
なお、葉が白くなってしまうと、その葉は回復できません。
株が小さいと株自体がだめになるので、気をつけましょう。
斑入りの品種の取り扱い
アガベは丈夫な植物ですが、斑入りの品種については脆弱な傾向があります。
夏場は遮光したり、冬場は室内に取り込んだりする必要がある傾向はあるので、事前にチェックしておきましょう。
水やり
生長期は鉢内まで乾いてから水やりをします。
梅雨と夏は、蒸れやすいので乾かし気味に管理します。
アガベは基本的に乾燥気味で育てた方が、失敗しにくいです。
冬は1ヶ月に1回表土が軽く濡れる程度与えます。
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元肥として緩効性肥料を培養土に混ぜ込んでおきます。
花は滅多に咲かないので、一般的には少なめで良いとされています。
肥料を入れすぎると徒長の原因になるので、注意が必要です。
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根が詰まると生長が鈍くなるので、2年に1回程度、春か秋に植え替えます。
植え替え時に、古い葉と根は取り除きます。
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病気
黒星病、さび病
害虫
カイガラムシ、アザミウマ
虫に葉が食べられるケースもあるので、栽培スペースをネット(遮光ネットなど)で囲っておくのもあり。
害虫については、多肉植物やサボテンを脅かす害虫についてで解説しています。
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増やし方
アガベの増やし方は以下。
- 株分け
- 縦割り
- 胴切り
アガベは滅多に花は咲かず、咲くと枯れてしまいますので、交配は現実的ではないです。
同一DNAの株を増やすなら、株分けや縦割りして子株を取る or 取れるようにするか、胴切りして増やすことになります。
異なるDNAの株を増やすなら、種子を購入して実生することになります。
実生
アガベの実生は、基本的な多肉植物の実生の方法で良いです。難易度は低く、初心者にもオススメです。発芽率は種類や種子の鮮度によります。
アガベは根が広がる傾向はあります。
- 植え替え時に根は切らないように気をつける
- 寄せ植えが難しい時は素直に諦めて、1鉢1株で植え替える
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入手先
店舗で購入する場合は、ホームセンター、多肉植物専門店、アガベ専門店が候補になります。
通販でも入手できるので、通販を利用するのも手です。
私はヤフーショッピングでカクタス長田の公式ショップを利用することが多いです。値段が手頃で質も安定しているのでおすすめです。
まとめ
アガベの育て方について解説しました。
↓最後に私がオススメする本の紹介です↓
多肉植物の専門家による、アガベの育て方を解説した書籍です。
通常、多肉植物の書籍は幅広い品種の育て方を掲載しているため、中身が薄いという印象を拭えません。
この書籍はアガベに特化していますので、アガベを中心に育てている人にとって丁度いい一冊になっています。
12ヶ月ごとの管理の仕方が掲載されていますので、育て方が良く分からないということは無いです。
是非、読んでみてください!