サボテン 多肉植物

多肉植物の実生のやり方について

2019-12-07

多肉植物を種子から育てたい方向け。
多肉植物実生やり方について解説します。種まきから多肉植物を育てる方法です。

多肉植物の実生のやり方

 

記事の信頼性
2020年は約16000粒蒔いています。2019年に蒔いた種は順調に生長しています。

・前置き
種類によってやり方が異なりますが、本稿では全般的なことについてです。
試行錯誤中なので、随時アップデートを予定しています。

多肉植物の実生を初挑戦するなら

初めて多肉植物を種植えをしたいのなら、実生キットを購入するのがてっとり早いです。

なお、サボテンの方が丈夫で失敗しにくいです。

【簡単】多肉植物のモニラリアの栽培キットの紹介【かわいい】サボテンの種まきの巻 [ナガクラ リトルガーデン サボテンmix]の記事で解説しています。

多肉植物のモニラリアの育て方、栽培キットの解説【失敗しない】

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サボテンの種まきの巻 [ナガクラ リトルガーデン サボテンmix]

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国内でも種子単体で購入できます。
国内で購入するなら、seed stock多肉植物ワールドがおすすめ。

私も種子を輸入する程ではないけど、種子が欲しい場合に利用しています。
自信を持ってオススメできます。

国内での種子購入の記事を書きました。

多肉植物・サボテンの国内の種子販売サイト4選

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基本方針

実生後、極端に密集しない限りは一年くらい植え替えをしない。

根を極力痛めつけないようにすることと、培養土の量がある程度あることが重要です。

また、発芽のタイミングは結構ずれることもあるので、植え替え前提だとせっかく蒔いた種を失う可能性もあるので、蒔きっぱなしにできるのも良いです。

小さい容器に植えて、数ヶ月くらい成長させたら、別の容器に植え替える方針としていましたが、全体的に生長が悪かったので植え替えしない方針に変更しました。

 

種まきの時期について

種子は年中販売されているのですが、種まきするシーズンについては意識されていないことが多いかなと感じます。

育て方カレンダーに従うのが手堅いです。
シーズン外に種まきすると失敗する可能性が高いです。

実生時期の目安としては以下(例外はある)

  • 夏型は春から夏にかけて蒔く
  • 冬型は夏の終りから秋にかけて蒔く
  • 春秋型は全シーズンOK(夏は涼しいところ、冬は室内で管理する)

春に種まきする多肉植物は以下で解説しています。

春に種まきする多肉植物・サボテンの種類について

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夏に種まきする多肉植物は以下で解説しています。

夏に種まきする多肉植物・サボテンの種類について

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冬型含め、秋に種まきする多肉植物、サボテンについては以下で解説しています。

夏から秋に種まきする多肉植物・サボテンの種類について

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冬に種まきする多肉植物・サボテンの種類について

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発芽率について

品種、鮮度、環境によって発芽率は変わります。

正直なところ発芽率については、ある程度割り切る必要はあります。
種子が全く発芽しない可能性は普通に起こり得ることや、発芽率の向上を真面目に取り組むなら色々試していくことになります。

ですが、金銭面的、時間的コストがかかるので、よっぽど物好きじゃないとやってられないということになります。

多肉植物のキットとかのレビューで、「10粒蒔いて2つしか発芽しませんでした。」みたいなレビューがあり低評価をつけられているものもありますが、発芽率は20%のため割と妥当な数値です。

品種ごとのノウハウを持っていたり、それなりのコストをかけて実験したりしないと発芽率を上げるのは難しいです。

発芽する条件

植物の種まきの一般的なイメージは、種まいて水をあげたら芽が出るだと思いますが、品種によっては、条件を整えないと芽が出ないものもあります。

一般的には、発芽は水、温度、酸素が重要と言われています。

発芽する条件をおさえておくのが重要です。

多肉植物は1ヶ月以内に発芽するものが大半ですが、品種によっては、採取したら即まきする必要があるとか条件があります。

冷蔵庫に種を入れておくと、発芽のタイミングが揃うとのことですが、種子の鮮度や品種によって効果があったりなかったりはします。

木の種では、植えてから翌年に芽が出るとか、秋植えで冬の寒さを経験することで春に芽が出るとかあったりします。
なので、実生は発芽する条件をおさえておくのが重要です。

土について

栄養分が入っていない土を使用するというのが、一般的な模様です。
理由は、発芽時は種子に含まれている栄養で、ある程度育つためです。

ただ、1年位生長させますので、通常の多肉植物の培養土を使用します。
多肉植物の培養土を8割入れて、化粧土を赤玉土微小か鹿沼土微粒にするのが手堅いです。

赤玉土単体でも良いですが、1年位そのまま育てるのであれば培養土の方が良いかと思います。

培養土に軽い物質が入っていると、灌水時、表土に浮いてきたりするので注意が必要です。

 

【簡単】よく育つ多肉植物・サボテンの自家製培養土【作り方】

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市販の種まき用の土について

種まき用の土が売られていますが、多肉植物用途としてはイマイチな感じです。
主に質が良くない傾向というのが理由です。

・質が不安定なものも多く、形状が安定しない土は使いにくい。多肉植物は種が小さいものも多いので、適さない場合が多い。
・粉塵が含まれていることもあり、質に問題がある。

培養土部分

多肉植物の培養土を使用します。
肥料はなくても良いです。

培養土に緩効性肥料を混ぜると良いとの話もありますが、効果のほどは良く分からない。
発芽時、肥料は不要ですが1年程度植え替えをしない前提だと、成長に影響が出るということだとは考えています。

化粧土部分

赤玉土微粒か鹿沼土微粒かバーミキュライトが良いです。
個人的には、鹿沼土微粒が一番使いやすいですが、どの土も一長一短です。

土は単品で購入して(赤玉土とか鹿沼土として販売されているもの)、お好みで混ぜるようにします。

あと、軽い用土を化粧土にすると、灌水した際に土が動いてしまうので、あまりおすすめできないです。キットを購入するとついてくる事が多いですが、土が流れてしまってイマイチ感があります。

多肉植物とサボテンの化粧土について

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赤玉土微粒

多肉植物の種は小さいものが多いことから、土の粒が大きいと鉢の中に入ってしまいます。
この場合は、赤玉土微粒を使用します。

この土の欠点は、潅水時に土が動きやすいという点です。

なるべく、粒が安定した赤玉土を使用するで、土が動きにくくなり安定しやすいです。

赤玉土微粒を使うメリット

・小さな種子が鉢の中に流れにくい
・乾燥しているかどうかが分かりやすい

赤玉土微粒を使うデメリット

・灌水時に土が動きやすく、多肉植物が不安定になる。
多肉植物とサボテンで使用する赤玉土について

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鹿沼土微粒

赤玉土微粒に比べると粒が1mmくらいで安定したものが多い傾向です。
乾燥具合もわかりやすいのも特徴です。

種子のサイズが極端に小さくなければ、鹿沼土微粒が良いと思います。

鹿沼土微粒を使うメリット

・灌水時に土が動きにくいので、多肉植物が安定する。
・粒の大きさが安定している製品が多い印象
・乾燥しているかどうかが分かりやすい

鹿沼土微粒を使うデメリット

・粒が大きいため虫が入り込む可能性がある。
多肉植物とサボテンで使用する鹿沼土について

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バーミキュライト

バーミキュライトは、種子が大きい品種であることが前提です。
多肉植物の品種で種子が大きなあまりないので、どちらかというと葉挿しとかに使用しています。

多肉植物とサボテンで使用するバーミキュライトについて

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容器

2.5号鉢程度のプラ鉢が良いです。
私はプレステラ90か兼弥産業のスリット鉢を使用することが多いです。


アップルウェアー プレステラ 90型 10組 ブラック
2.5号未満だと深さがなく、腰水した際に浸かりすぎてしまう懸念があるので、小さい鉢は使用していないです。

腰水しない場合は、クリアカップを使用することもあります。

クリアカップについてはクリーンカップの使い方で解説しています。

多肉植物・サボテンでのクリーンカップ・クリアカップの使い方

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植える準備

種子を植える前の準備として以下を実施します。

カビ対策

カビが生えやすい品種については、必ずカビ対策をします。

・冷蔵庫に入れて発芽を揃える
・容器に対して、種を蒔く数を減らす
・土と容器を消毒する
・殺菌薬を使用する
・日の当たるところに置く(条件あり)
・既にカビが生えている種子を除去する

基本的に発芽させる時は湿度を高くするので、カビが生えやすいです。
発芽を揃えることにより、短期間で発芽させて、湿度を下げれるようにします。

日の当たるところに置くのも手です。
ただし、光を好む種子である必要があり、気温の変化にも気をつけましょう。

また、種子の保存状態が悪いと既にカビが生えている場合もあります。
そのような場合は、予め取り除いておくようにします。

種子の発芽促進処理

発芽しにくい種子に対して、発芽を促す処理を行います。
必須の処理ではないです。

・予め水につけておく
・種子の表面を傷つける(砂やヤスリなどで擦るなど)
・促進剤を使用する

水に付ける場合は、つけすぎないようにします。
発芽には酸素が必要ですので、酸素不足になり発芽率が落ちるとされています。

硬実種子に対しては、種子の表面に傷をつけることで、水を吸収しやすくさせます。
その結果、発芽しやすくなります。
発芽する力は強いので、水を吸収できるようにすれば良いと言われています。

植え方

表土にばら撒けば良いです。
可能なら分散して撒ければ良いですが、粒が小さい種の場合は難しいです。

その場合は素直に諦めるか、適当に蒔くしかないです。
土をかけるかどうかは、植える種子の特性で判断します。

光が当たっていると発芽しない、もしくはその逆の場合もあるので品種に合わせる。
粒が小さい場合は、土をかけると種が沈む可能性があるのでやめたほうが良い。

発芽時に光を嫌う品種は、土をかける代わりに暗室に置くという手があります。亀甲竜で有効です。

植えた後

湿度が70%を切る場合は蓋をして湿度を上げる。
蓋がないものはサランラップを巻く。

個人的にはサランラップを巻くのは面倒なので、蓋付きの容器を用意している。

腰水のトレーが大きいと湿度が70%を超えることが多いので、その場合は蓋は不要です。

発芽するまでは、毎日観察した方が良いでしょう。湿度が高いことによって、カビが生えたり、種子が溶ける可能性があります。1日で致命傷になる可能性もあるので注意しましょう。

水やり

基本的には腰水で水をやる。

腰水については【失敗しない】多肉植物での腰水の方法についてで解説しています。

【失敗しない】多肉植物での腰水の方法について

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ある程度大きくなるまでは、土 or 種が流れてしまう可能性があるので、直接上から水をかけるのはNG。

腰水の期間は品種によって変える。3ヶ月から最長1年程度
成長がイマイチで調子が悪くなってきていると思ったら、早めに腰水をやめて灌水に切り替えます。

クリアカップの場合は、多肉植物が動かないように容器を伝わせて水をやります。

置き場所について

極端な気温の変化が少ない場所が良い。

室内の方が気温が安定するので個人的にはおすすめです。
なお、植えた品種の適正な気温であることが大前提です。

戸外に出す場合は気温の変化が大きかったり、日差しの影響を受けやすいので注意する。

気温の変化がプラスに働くときもあるので、室内で発芽しなかった場合は外に出してみるのも良い。

発芽したらどうするのか

一斉に発芽した場合は蓋を外して、湿度を下げるようにする。

品種によっては湿度が高い状態が続くと、カビが生えたり、溶けてしまったりなど、立ち枯れしてしまう可能性がある。

カイワレ大根のような茎が細長く伸びて双葉が出る種類は、立ち枯れの傾向があると思います。

問題は一部しか発芽しなかった場合で、割り切って蓋を開けるか、数日-1週間くらい様子を見る。

植え替え

ある程度大きくなり、根がちゃんと張っているタイミングで植え替える。
植え替え先は植木鉢で多肉植物用の土を用いる。

太い根が一本だけ生えている品種があるので、切らないように注意すること。
多肉植物・サボテンの植え替え方法について

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まとめ

多肉植物の実生のやり方について紹介しました。

国内でも種子単体で購入できますので、チャレンジしてみてください。

国内で購入するなら、seed stock多肉植物ワールドがおすすめです。

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